詩の日めくり 二〇一五年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
の裸足の大きな足跡に、いまでも遭遇しますか。

ツチノコは、まだ奈良の山にいるのでしょうか。
あの滑稽な姿で、いまでも目撃者が絶えませんか。

かつて、ぼくらが子供だったころ
ぼくらのこころを集めたさまざまな話たち。

いまでも、子供たちのこころを
いっぱい、いっぱい集めていますか。

不思議な話たち、
ひょっこり写真に写ってください。

不思議な話たち、
ひょっこり写真に写ってください。


二〇一五年七月六日 「胡桃。」


きみの手のなかのクルミ
  ──クルミのなかにいるぼく。

きみに軽く振られるだけで
  ──ぼくは、ころころ転げまわる
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