詩の日めくり 二〇一五年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
、あつさに
くっ、くっ、くねっと、身を、ねじらせて、

輪ゴムが、ひとつ、落ちてた。

ぼ、ぼく、じっと見てたら、
なんだか、悲しくなって、涙が、出てきちゃった。


二〇一五年七月二十日 「タンポポ。」


わたしを摘むのは だれ
やわらかな手 小さくて かわいらしい
こどもの手 こどもたちよ

わたしは 野に咲く タンポポ
どこにでも 咲いています

たとえば 薔薇のように
かぐわしい香りを
放つことをしません

たとえば ユリのように
見目麗しき女性に
たとえられることもありません

けれど わたしを摘むのは 
やわらかな手 小さくて 
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