詩の日めくり 二〇一五年七月一日─三十一日/田中宏輔
ぶ買って帰ってきた。ちょうど10本だった。部屋に戻ると、本棚にある本をビリビリと破いていった。ビリビリに破いて、くしゃくしゃにして、買ってきたスティック糊でくっつけていった。裸になったぼくを中心にして、まずは筒状にしていった。それからあいてるところにもくしゃくしゃにした紙を貼り付けていった。まるで鞘に入ったミノムシのようにして横たわった。だけど、すぐに息苦しくなったから、顔のまえのところを少しだけ破いた。息ができるようになって安心した。安心したら、眠くなってきちゃって、ああ、二度寝しちゃうかもしれないなあって思った。だけど、虫って、どんな夢を見るんだろうね。
二〇一五年七月十八日 「森のシン
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