詩の日めくり 二〇一五年七月一日─三十一日/田中宏輔
ら、なんて田舎者なんだろうって。
女の子は頬っぺたを真っ赤にして
男の子は休み時間になると校庭に走り出て
制服が汚れるのも構わずに
走り回ってた。
補布(つぎ)のあたった学生服なんて
はじめて見るものだった。
やぼったい連中ばかりだった。
ぼくは連中のなかに溶け込めなかった。
越してきて
まだ一週間もしないとき
休み時間に、ぼくは机の上に顔を突っ伏した。
朝から熱っぽかったのだ。
帰るまでは
もつだろうって思っていたのに……
すると、そのとき、あいつが
ぼくを背中におぶって
保健室まで連れて行ってくれた。
どうして、あいつが、ぼ
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