願わくばそれが混ぜ物なしの原罪であらんことを/ホロウ・シカエルボク
なのか天国なのかわからないけれどね…それはもうどっちでもいいことだ、気に入らない結果だからといって降りることはもう出来ない、そんなことが出来る瞬間なんて一度だってなかったけれどね、だって、そうさ、手をつけたものはどこまでもやらなくっちゃ、やめられないことはもうわかっているんだから、タイプしているとき俺はどこにいるのか、ずっと上にいるような気もするし下のような気もする、表にいる気もするし裏にいる気もする、あるいはそのどこでもない次元の中で静かな目を見開いているような気さえする、ある作家は原稿用紙に書いている真っ最中に、そんな自分の姿を後ろから眺めていたことがあるらしいよ、動脈と静脈、血管と心臓の宿命
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)