願わくばそれが混ぜ物なしの原罪であらんことを/ホロウ・シカエルボク
宿命だ、生きている限り繰り返される、血管を流れる血液は、いつだって血液のままだが、同じものではない、新しく生成されるものだ、それと同じだ、循環を成り立たせるためには、生成され送り出されなければならない、よどみない循環こそが魂をクリアにする、きれいな、という意味ではない、剥き出しになるという意味だ、美も醜悪も、善も悪もすべてないまぜになった、形容し難い色味のそれがはっきりと見えるようになるということだ、だからこそそれは受け継がれてきたのだ、たったひとりで行う儀式だ、もはや理由ではない、それに名前をつけることはもう必要じゃなくなった、的にピントを合わせることは重要ではない、矢をつがえた弓をいつ放すかと
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)