春の会話/田中修子
うなら、さようなら)(--風に乗って良き旅路を!!--)
呼ばれましても。もう死にました。あのあと、みなが呼ばれ、私はどうしたわけか最後のほうまで凍えて、でも時が来ました。もう、ゆくときであることを。そうしてヒラリと落ち、地面に優しく、たたきつけられた。
そうして永らの眠りについたのに。
……ねぇ、いつまで、ぽとぽとぽとっ、夢を見ているの、オイデ……
そんな懐古にしがみついて嬉しい? ね、おいで、おいでよ、たたたたたっ……
虫に齧られたけど、そんなに痛くはなかった。麻痺してたんだ。
齧られて排泄されて、意識は分断されながらどこか、繋がっていて、思いだす
私は実には
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