詩の日めくり 二〇一五年六月一日─三十一日/田中宏輔
二〇一五年六月二十八日 「なんで、おばさん好きなの?」
「1杯で帰ろうと思ったとき出会う酒のみ」
ぼくが詩を書いてるって言ったら、いきなりかよ。
「これは、ずれてるよ。」
「ずれてるけど
ぼくのなかではいっしょ。」
キクチくんとは、あったの2回目だった。
「サイフが不幸。」
これには、ふたりとも笑った。
二〇一五年六月二十九日 「糺の森。」
ぼくが帰るとき
いつも停留所ひとつ抜かして
送ってくれたね。
バスがくるまで
ずっとベンチに腰かけて
ぼくたち、ふたりでいたね。
ぼくの手のなかの
きみの手のぬくもりを
い
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