詩の日めくり 二〇一五年六月一日─三十一日/田中宏輔
 
じゃない。
というのも、そうしない限り
りんごは地球に激突しちゃうからなんだ。
まあ、たとえ、傷ついちゃったり、刈り株に突き刺さっちゃったりしても
サイダー用のりんごの山のところに運んじゃうだけだけどね。
ほんと、なんの価値もないものだよ。
なにがぼくの眠りを邪魔するものになるか、わかるよね。
そのぼくの眠りがどんなものであってもね。
あいつは行っちゃったのかな、
ウッドチャックのことだけど、そいつはわかってるってさ、その眠りが
自分の長い眠りのようなものかどうかってこと、ぼくがここにきて描写しているようにさ、
それとも、ちょうどちょっとした人間の眠りのようなものなのかな。
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