詩の日めくり 二〇一五年六月一日─三十一日/田中宏輔
 
coming on,
Or just some human sleep.


りんご摘みのあと

ロバート・フロスト

両端の二本の突き出た長い縦木を地面に突き刺したぼくの梯子が木に立てかけてある。
それはまだ天に向けて傾けてある。
そして、そこには一つの樽がある。ぼくがいっぱいにしなかったものだ。
そのそばには、ぼくがいくつかの大ぶりの枝から摘み取り残した
二つか三つのりんごがあるかもしれない。
でも、いまはもう、ぼくのりんご摘みは終わったんだ。
冬の眠りの本質は夜にある。
りんごの香りがする、ぼくはうとうととしている。
ぼくは、ぼくが見た光景の奇妙さを、ぼくの
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