あなたはただ佇んでいる、それがわたしには心地好い/ホロウ・シカエルボク
 
と物思いに耽るだけだ、住宅の造りはどれもほとんど同じくらいだった、ほんのちょっと大きいか、小さいかくらいだ、適当に建てられて、適当に振り分けられたのだろうか、どれも同じ時期に建てられたものだということは想像がついた、ここに、なんらかの目的でそこそこの人数を住まわせることになって家が建てられた、そういう理由なのだろうか、どんな結論にも行き着けない推測は、無責任な分だけ楽しいとしたものだ、出来ることならどこかのお宅にお邪魔して残留物を拝見してみたかったけれど、よそからやってきていきなりこの区域のことを訪ねまくった俺のことを近所の人間は警戒しているに違いない、まあ、顔を合わせれば挨拶や世間話くらいのこと
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