詩の日めくり 二〇一五年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
いての考察。地球は円である。高速度で回転している円のうえを、のろのろと走行しているバスを思い描く。ここでも、54才のぼくの視点と15才のぼくの視点の交錯がある。『13の過去(仮題)』において、もうひとりのぼくの存在のはじまりを探求する。マルブツ百貨店での贋の記憶がはじまりのような気がする。あるいは、幼稚園のときの岡崎動物園でみた片方の角しかない鹿が両方に角のある鹿と激しく喧嘩してたシーンのときとか。これもメモだが、八坂神社の仁王像の金網。昔はなかった。子どものときと同じ風景ではない。高野川の浚渫されなくなってからの中州の土の盛り上がりにも驚かされたが。円山公園の池の掃除のとき、亀が甲羅干ししてた。
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