詩の日めくり 二〇一五年五月一日─三十一日/田中宏輔
姫。』は別々の作品で、ただ幾つかの設定を同じ世界にしていたのだけれど、きょう、シルヴァーバーグの『ヴァレンタイン卿の城』の上巻を仕事帰りの電車のなかで読んでいて、ふと、『図書館の掟。』の最後のパートと、『舞姫。』のすべての部分をつなぐ完璧な場面を思いついた。それが、『13の過去(仮題)』第1回目の作品になる。どの時期のぼくだったか特定する様子を描く。若いときのぼくを観察する様子を描く。若いときのぼくが、ドッペルゲンガーを見る。若いときに見たぼくのドッペルゲンガーとは、じつは、齢をとったぼくが、若いときのぼくを見てたときの姿だったという話だ。『13の過去(仮題)』の冒頭。バスのシーンで、バスについて
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