詩の日めくり 二〇一五年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
。 
はじめてケイちゃんに会って 
はじめてケイちゃんと口をきいたときの 
あのドキドキは 
繰り返し 
ぼくにあらわれた。 
違った時間や場所で 
違った子との出会いで。 
なんて言ったかな 
あれ 
あの 
まるで 
風と戯れる 
ちぎれた蜘蛛の巣のかけらのように。
二〇一五年五月二十日 「手」
手の方が先に動いていることがある。 
いや、動き出そうとすることがあるのだ。 
かわいらしい男の子や女の子がそばにいると。 
手のひらがひらいているのだ。 
ふと気がつくと、手のひらが時間を隔てた写真をコマ送りにしたみたいに 
ひらいていくのだっ
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