詩の日めくり 二〇一五年五月一日─三十一日/田中宏輔
痛くって、キャンキャン吠えてるやつじゃなくてね
そいつは、ぼくをびくっとさせて正気に返らせてくれるんだ──
爆発の瞬間というものによって
爆弾のさ、仕掛けられた爆弾のさ
世界中が荒廃している。
ぼくには、なすすべがない
そのことについて歌う以外のことは
そうして、ぼくは逃れるんだ
ぼくの痛みからね
眠気を催さすしびれのようなものが、ぼくの感覚を麻痺させる
まるでドクニンジンを飲んだときのようなね
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