詩の日めくり 二〇一五年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
        ぼくはそれを飲んだことがあるんだ。ぼくは考える
ルネ・シャールの
      詩のことを
           彼が遭遇したに違いないすべてのことについて
彼が苦しんだに違いないすべてのことについて
     でも、そのことで、彼は書くことになったのさ、書くということだけに
スゲの茂った川についてね
      ラッパスイセンやチューリップが
               その根をはわせて水を吸い上げているところ
水がひらたく、ゆったりと流れるその川には
                甘い香りを放つ
                   それらの葉っぱや小さ
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