詩の日めくり 二〇一五年五月一日─三十一日/田中宏輔
はまったくと言ってよいほど、ほとんどなかったが、そこから逆に、では、ぼくのこころに残る詩句とは、どんなものか、ということを考えさせられた。体験することは大切なことだが、その体験が知的な言語パズルとしてつくられていないと、退屈に感じてしまうというもの。芸術は、感性的に言っても、知的パズルにしかすぎない。それ以上のものではない。見事なパズルをつくる者が芸術家であり、その見事なパズルが芸術作品なのである。と、そう思う。あと1つは、笑ってしまったのだが、アメリカのユタ州で、1966年に、同性愛者による連続殺人事件が起こったというのだが、6人の被害者が、みな若くて、美しい青年だったらしくて、警察がつぎのよう
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