サン・トワ・マミー/ホロウ・シカエルボク
きみもそれはわかっていて、おれがそそくさとヘッドフォンを耳に入れながら横になると、ほとんどの場合はこちらのベッドには来ない、自分のベッドでスマートフォンを見ながら時々鼻歌を歌っていたりする、こちらにまるで届いていないと思っているのかもしれない…ところが、この夜はいつもと少し違っていたんだ、きみは急に忙しそうにあちらこちらーそれから急にしいんとして、どうやらこちらの様子を窺っているみたいな…それから?どうやら服を脱いでいる、こちらに来るのかな…?違った、どうやら着替えているようだ、外に出る時の、きちんとした格好にーこうなると、いくらおれが鈍くても事の次第は理解出来るよね、さて、目覚めたふりでもするべ
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