サン・トワ・マミー/ホロウ・シカエルボク
 
るべきだろうか?けれど、ここまで来てしまって、そんなアクションにどんな意味があるだろうか?服を着替えてしまうと、きみはキャリーつきのケースを転がさずに出て行った、おれは目を覚まして、ひととおり部屋の中をチェックした、きみが残していったものは、合鍵と、さっきまで身にまとっていた部屋着だけだったー遺言のようにキッチンのテーブルに置かれてあった、おれは冷蔵庫のオレンジジュースを飲んでひとしきりその部屋着を見つめ、大きな欠伸をした、玄関の鍵を掛けて、寝床に潜り込み、イヤフォンを耳に突っ込んで音楽を聴きながら眠った、とても長く退屈な夢を見た、もう二度と目覚めることが出来ないと思えるくらいの。


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