詩の日めくり 二〇一五年四月一日─三十一日/田中宏輔
 
はよ、帰ろう。」
ぼくたち、ふたりは、 我が物顔で道路にまで出てきて威嚇する鹿たちから逃げた。
まっ、車だったから、車に戻って帰っただけだけどね〜、笑。

自己分析は、古い自我の破壊を招くので
ときどき、ぼくは、自分を見失いそうになる。
体調まで崩してしまうことがある。
30代には、記憶まで混乱してしまったことがある。
正気でいつづけるのは、ほんとに難しいことだと思った。

ぼくは、巻物になりたいのかもしれない。
くるくる回されて、ほどかれたり
またくるくる巻かれて、ぎゅっと紐で締められたい。
そんなことを、ふと思った。

それともミイラに
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