詩の日めくり 二〇一五年四月一日─三十一日/田中宏輔
 
the Run. IX, p.19)

さようなら。空想は 人を欺くエルフのように
あまりに巧みには 欺くことができぬのだ。
(ジョン・キーツ『夜鳴鶯に寄せる歌』8、出口泰生訳)

  〇

このあいだ
源氏物語の英訳を読んでいて
あまりにバカな読みをしてしまった自分がいた。
A light repast was brought.

「過去に照らされた光が、ふたたびもたらされたのだ。」
と読んだのだ、笑。
「軽い食事が出た。」
なのにね。
すごい英語力だわ、ぼく。
ああ、ぼくには限界がある。
ぼくの能力には限界がある。

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