美しいヘマのしでかし方/ただのみきや
 
しの真中を突き抜けて行く
闇の中に赤黒く 鉄の窯を
熟れた心臓のように灯し
わたしを真中から挽肉にする

かつてわたしの鎖骨は父の鉄屑だったが
有機溶媒がそれを亡きものとした
わたしの中の太陽はいつも冷たかった
月と色が違うだけの幼子の絵のように
昼と夜は撹拌されていた

押入れの中にはアケビがあった
その膿んだような実は口を開け
透けた果肉がうつろな無数の眼でわたしの恥部を採寸した
逃げ場もなく谷底に落ちる鹿のように
宙の全てが瞳孔だった
決して羽化しない蝉の仔 大地の胎児
コールタールの夜がわたしを塞ぐ

自動車は友好的ではなく
わたしの時間は草木や虫の
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