美しいヘマのしでかし方/ただのみきや
散策思索
イモリの仔の孵る日差しを思いながら
心当たりのない手首の痛みを弄ぶ
晴れた寒い昼下がり
氷結した河口の端を恐る恐る渡って行く
至る所に鳥や狐の足跡
人のはひとつだけ
雪から突き出た雑草や流木
その手触りを手袋から出た指で確かめる
白紙のはずれ 大楽毛(おたのしけ)の海岸
ここちよく脱色される
貝殻や海藻
よくわからないゴミ
雪原と砂浜の境目まで何回かに一度
波は足をしゃぶりに来る
ところどころ氷の塊が
閉じ込めきれずに太陽を洩らしている
見渡す限り誰もいない ただ
かもめ からす とび せきれい
春が来る前にここを去る
文脈から逸脱
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