詩の日めくり 二〇一五年三月一日─三十一日/田中宏輔
 
てられて吹き晒詩の冬の橋も渡る。
1. 2 “The seagull's wings ”: これは、橋のケーブルが織り成す翼の形とも重なる。
1. 3 “white rings of tumult”: カモメが空に描く「心を掻きたてる幾重なす白い輪」、または「騒々しい白がねの響き」とでもするか。白い鳥の描く軌跡に音を聞く(共感覚、後述。“Atlantis,” 11. 3-4の項参照)。あるいは 〈ring〉を私利私欲のために徒党を組む政治ゴロの集団(例えば1858年から1871年にかけてニューヨーク市政を牛耳ったTweed Ring のような)と考えても面白い。実際この橋の建設には膨大な闇
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