詩の日めくり 二〇一五年三月一日─三十一日/田中宏輔
 
思いつかない発想なのだった。いまでは、もうだいぶ、操作できるようになったのだが、それでも、やはり、英文を読んで、まだまだ新鮮な印象を受ける。この2行目の箇所が、そのさいたるものであった。森田さんの注釈がまた行き届いたもので、たいへん読んでいて楽しい。この2行目のところの注釈を書き写すと

1. 1 “his”: は“him”(1.2)と共に鴎のこと。だが朝早くから寝呆け眼で出勤する人でもあり、次の行でカモメが空に舞い上がるが、そうは表現されておらず、翼がカモメを振り回す。寒い寝床で強ばった体が翼に引き回されれば解れるか。鳥に翼があるように、人には明日を夢見る向上心があるから、それに書き立てら
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