詩の日めくり 二〇一五年三月一日─三十一日/田中宏輔
け
波の上に波が
ずきずき痛むように
重なる
なじり合いながら
二〇一五年三月二十日 「全身鯛」
おれの口
こぶしがはいるんやで
言うから
右腕をそいつの口に突っこんだら
あれ
肘まで
えっ
肩まで
頭がはいって
胸まではいって
へそのところまではいって
そしたらあとは
ずる〜って
全身
鯛
二〇一五年三月二十一日 「つぎの長篇詩に入れる引用」
外へ外へと飛び立つ巨大なエンジンが視界から消え
大道(オープンロード)とあなたが名づけたあの意識の橋梁の上を飛んでゆく
この今だ─
[次のページ]
戻る 編 削 Point(14)