詩の日めくり 二〇一五年三月一日─三十一日/田中宏輔
くためだけに
こんなに言葉をついやすなんて
余裕でストライクゾーン
ほんとに?
サイゴン
彼女は階段ですれ違った幼い子どもの頭をなでた。
子どもは笑った。
子どもは笑わなかった。
二〇一五年三月十四日 「カメ人間」
庭にいるカメ人間に
ホースで水をかけていた。
カメ人間は
庭のそこらじゅうにいた。
つぎつぎと水をかけていった。
けさ見た夢だった。
二〇一五年三月十五日 「TCIKET TO RIDE。」
昼に、近くのイオン・モールで
いつも使っているボールペンを買おうと思って
売り場に行ったら、1本も
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