詩の日めくり 二〇一五年三月一日─三十一日/田中宏輔
本もなかった。
MITSUBISHI UM−151 黒のゲルインク
ぼくの大好きなボールペン
待ちなさい。
空白だ。
すべての人間が賢者になったとき
互いに教え合うといった行為はもうなされないのであろうか。
それとも、さらに賢者たちは、互いに教え合うのであろうか。
おそらく、そうであろう。
互いに、もっと教え合うのであろう。
賢くなることに限界はないのだ。
きみの考える天国には
きみのほかに、いったい、だれが入ることができると言うのかね?
すべてが変化する。
とどまるものは、なにひとつないという。
だから、むなしいと感じるひともいれば
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