Sci-Fi anthology あとがき編/道草次郎
用の寝室で、きみは死んだ。わたしのために腕によりをかけた朝食をつくるのだといって、エリナー、きみはその夜家に泊まった。わたしは病気のうえ、あいにくそのときには妻まで入院していたのだ。
エリナー、きみはわたしの家で死んだ。きみはとても眠そうな顔で死んでいった。アメリカのデパートで売っている、小さな”有色人“の人形そっくりに。
エリナー、きみは黒人、そしてわたしは白人と呼ばれてきた。十七年のあいだ、きみはわたしの家にかよい、料理をつくり、掃除をし、アメリカにいるわたしの身のまわりの世話をしてくれた。きみは女、わたしは男。十七年間に、家の中で二人だけになったことは数えきれないが、わた
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