カスタマーサービス/中田満帆
で。やがて病院のなかへ運ばれ、手当を受け、おれはベッドのうえでおれを運んだ連中を見た。全員カナエだった。おれはそのなかのひとりを捕まえて、首を絞める。やがてカナエ全員がおれを拘禁室へと運び込み、鎮静剤を打って眠らした。超高速度カメラで撮ったみたいに日が沈み、夜が来て、また日が昇った。つよい灯りが終日おれを照らしてる。四方の壁から、ひとの声がする。うめき声、叫び声、ひとりごと。あらゆる虚無のなかでむっともさむざむしい、魂しいの荒れ野に踏み入れてしまったらしい。いったい、どうしたらいいんだ?
看護人が水をもってきた。無数の短い毛がなかに入ってる。おれは黙って水を呑んだ。それから2週間で、おれは閉鎖
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