詩的認識ロンのために/ひだかたけし
 
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いつか僕らは一つの光となる

一つの光が二つに分かれ
二つが四つに、四つが八つに……
そうして僕らは生まれたんだ
この眩しい地上の光のなかへ
それぞれの光を背負いながら
ばらばらに、ばらばらと、生まれたんだ

  ****

仄かに明るいこの冬日
雪は遠くで降っていて
陶然と一陽に木霊する

数千数億の銀河の渦が
降ってくるよなこの今に

艶めく若芽の燃え出づる、
感覚知覚を越えてゆく
未知なる時を紡ぎ出し

  *****

憧れ、夢、予感の
余韻の奥に輝くもの

わたしが私であって
私で在らぬもの

未知が胸奥から押し寄せる
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