詩的認識ロンのために/ひだかたけし
せる
感覚を越え
溢れ流れるこの今に
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無力だ
私は徹底して無力だ
感覚から離れようとして
認識の限界に触れ
虚しく知覚映像を貪る
魂は未だ自立せず
背を正して待機する
思考の直観の領域に
鮮やかな夢を見て
意識は半ば虚脱して
己の前に立ち現れる
様々なイメージと戯れ
そうして
沈黙の前に立つ
生々しく、生々しく
沈黙に 触れる
無力だ
私は徹底して無力だ
*******
そうしてまた
真っ白な一日が 経過する
僕は何一つ手に入れなかった
心の奥に貼り付く無限
認識の荒野に曝されたまま
謎は謎として残されて
そうしてまた
真っ白な一日が 経過する
沈黙の時に眩暈して
遠い予感に打ち震え
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