詩的認識ロンのために/ひだかたけし
 
  *

新年の夜が深まり
姿を持たぬ思考たち
五感の縛りから解き放たれ
星空の下で踊り出す
遠い過去へと遡行する
魂の営みの始まりだ
透明な窓辺で落ち合って
僕ら、それぞれの旅に出よう
肉を携え肉から離れ
孤独のうちに発光し
憧れ未知の永遠へ
僕ら、愉快に覚悟を決めて

  **

孤独に発光する、
散乱するイメージのなか
源頭へ遡る、
前進する時間のなか
旺盛に分け入って行く、
イメージがイメージを呼び

深海の頂きで
未知なる木霊を聴く
大雪原がうねるように
今日も夜が深まってゆき
点灯されたオレンジの明かり
心は震え、遠い過去へ接続
[次のページ]
戻る   Point(5)