落穂/道草次郎
ろう
抗うことを忘れ牙を抜かれたチワワたち
そういうものだ
ぼくは
恥ずかしくはないか
ほくは恥ずかしい
こういうことを言うことは本当に何なんだろう
ぼくの中の何かが言わせているのか
そうではないのか
とにかく
自分の中に満たされゆくものなど
たわいのない
滓だ
「シャワア」
ダボダボと不規則に落ちる大粒の水で大雑把にゴシゴシと洗いながら、特に痒いところもない、耳の周りはもう少し念入りに、いや、しかしだめだ、面倒だ、適当になどと、頭頂へ指を走らせ、と、いつまでも治まらないでき物の膨らみ、少し痛い、これは何の兆候か、体調変化、それとも宿痾のかすかなサインか
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