詩の日めくり 二〇一五年一月一日─三十一日/田中宏輔
さい泥棒だ。
冷蔵庫にも心臓があって
つねにドクドク脈打っていた。
それとも、あれは
ぼく自身の鼓動だったのだろうか。
貧乏である。
日和見である。
ああ、こんなところで
ぼくは死んでしまうのか。
書いてはいけないことを書いてしまったからだろうか。
書いてはいけないことだったのだろうか。
ぼくは、見たこと
あったこと
事実をそのまま書いただけなのに。
ああ?
それにしても、寒かった。
冷たかった。
それでもなんとか冷蔵庫のなか
10日間の服役をすまして
出た。
肛門からも
うんちがつるんと出た。
ぼくの詩集には
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