詩の日めくり 二〇一五年一月一日─三十一日/田中宏輔
 
大きく開けて
フットボールぐらいの大きさの納豆にかじりついた。
ゴミ箱に捨てられた詩のことが
ずっとこころに残っていて
詩を子どもに見せるのが
とてもこわくなった。
それ以来
ひとに自分の詩は
ほとんど見せたことがない。
あのとき
子どものひとりが
自分の内臓を口から吐き出して
ベロンと裏返った。
ぼくも自分の真似をするのは大好きで
ボッキしたチンポコを握りながら
自分の肌を
つるんと脱いで脱皮した。
ああ、寒い、寒い。
こんなに寒いのにボッキするなんて
すごいだろ。
自己愛撫は得意なんだ。
いつも自分のことを慰め
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