詩の日めくり 二〇一五年一月一日─三十一日/田中宏輔
を切断し
腹部に目を縫いつけて
背中の皮膚を裏返しにした。
それでも自分がまだ言葉でできた死体であると
そう思っていたのであった。
言葉の死体は
言葉でできた情景に目をうつした
言葉の死体は
さまざまな情景を
自分の身体のさまざな部分と交換しはじめた
それでもやっぱり
言葉の死体は
自分がまだ言葉でできた死体であると
そう思っていたのであった。
やがて
すべての部分が
自分の身体ではなくなってしまったのだけれど
その新しい身体もまた
言葉でできた死体であると
そう思っていたのであった。
二〇一五年一月三十一日 「
[次のページ]
戻る 編 削 Point(15)