詩の日めくり 二〇一五年一月一日─三十一日/田中宏輔
機。
シャボン玉ヒキガエル。半分、シャボン玉で、半分、ヒキガエル。
二〇一五年一月三十日 「一羽の悩める鶫のために」
言葉の死体が岸辺に打ち上げられていた。
片手の甲に言葉の波が触れては離れ触れては離れていく
言葉の死体は言葉の砂に顔を埋めながら
言葉でできた過去を思い出している
たくさんの美しい裸体の青年たちのまわりに無数の太陽を撒き散らし
たくさんの太陽のまわりに無数の美しい裸体の青年たちを撒き散らしていた
日が落ちてきて真っ赤に染まった砂浜を
言葉の死体は思い出していた
青年たちの裸体は赤く染まり
岸辺の砂も赤く染まり
あらゆる
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