詩の日めくり 二〇一五年一月一日─三十一日/田中宏輔
語が当初もたらせた、いまはもうもたらせることのない)さまざまな連想を誘い、豊かにその語の来歴を自らに語らしめさせること、それこそ表現を洗練させることであろう。現在、このことを全的に認識している詩人は、日本にはいない。詩語を用いて詩作品をつくるつもりならば、それは反歴史的に、反引用的に用いなければ、文飾効果はないだろう。すなわち、詩語は、もはやパロディー的に用いるほか、まっとうな詩作品など書けやしないであろうということである。ほんとうに、このことを認識していなくては、これから書かれる詩のほとんどのものは、後世の人間に見せられるようなものではなくなるだろう。
二〇一五年一月十四日 「プラスチ
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