詩の日めくり 二〇一五年一月一日─三十一日/田中宏輔
。それも、もちろん才能によって書かれたものだと思う。ぼくも、どちらかといえば、そちらの人間なのだろうけれど、だからよけいに、ごく自然に書かれたふうな風情に強い共感を持ってしまうのかもしれない。若いときには、ぼくは機知だけで書いてきたようなところがあった。これからも多くはそうだろうけれど、そのうち、いずれ、ごく自然なふうに、すぐれた詩句を書いてみたいものだと思わせられたのだ。
二〇一五年一月十三日 「詩語についての覚書。」
表現を洗練させるということは、詩語を用いてそれらしく仕上げることではない。ふつうに普段使っている日常の言葉を用いて、まるで、かつての詩語のように(その詩語が
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