ブルースを殺(バラ)せ/ホロウ・シカエルボク
御免被る、ご勘弁願う
どうかひとつ個性ってことで黙認しといてくれないか
だって俺は
お前らになにも求めてないんだぜ
夜がぶっ飛んでる、いつでもなにか口に入れて
失われた時間に満腹を上書きする
それからそう、突発的に脳裏に忍び込む感情を
鳩の餌を撒くように、そうさ
しばらくの間そのへんにばら撒くんだ
森の中で迷わないようにするみたいに
目印を作るのさ
そこにどんな意味があるかなんて考えない
あるならあるでいいし、なけりゃないでいい
それが意味を生むかどうかについてはまた別の問題だ
俺は夜に生まれる
最後の最後に
睡魔が痴女みたいにまとわりついてくる前に
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)