ブルースを殺(バラ)せ/ホロウ・シカエルボク
 

珈琲を飲み干して、そうさ
イマジネーションを解放する、パンドラの箱を開けるみたいに…
災厄のことなんか気にすることはないよ、最後に残ったものだけが重要なんだ
俺は
たったひとつの意味しかない話なんてしない
そんな話をわざわざするのは馬鹿らしい
たとえこの世界に俺ひとりしかいなくても、多分ね
そうじゃなきゃなんだか嘘っぽく感じるんだ
そういうものにつける名前がなにかあればいいけど
ブルースなんて言っちゃうとどうにも白けちまうな

シャワーカーテンに守られた浴室の中でだけ
思い浮かぶ言葉がある
でもそれは身体が綺麗になるといつの間にか忘れてしまっていて
思い返そうとして
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