詩の日めくり 二〇一四年十二月一日─三十一日/田中宏輔
んのものに目がとまった。
田んぼの周りに生えている雑草やゴミ
通り道にあった
喫茶店のドアに張られたメニューのコピー
歩道橋の手すりについた、まだらになった埃の跡。
これって、きっと雨のせいだろうね。
さいきん降ったかな。
どだろ。
ぼくは何度も
その埃が手のひらにくっついたかどうか
見た。
埃はしっかり
銀色に光った鋼鉄製の手すりにこびりついていて
(ステンレススティールだと思うけど、違うかな?)
ぼくの手のひらは、ぜんぜんきれいだった。
歩きながら食べようと思って
ル・マンドというお菓子を
リュックから出したら
そのお菓子を買
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