詩の日めくり 二〇一四年十二月一日─三十一日/田中宏輔
いだには
こぶし大の白い立方体が存在していたのだが
いまや「あ」と「い」のあいだには
何もない
かつて「あ」と「い」のあいだに
こぶし大の白い立方体があったことを知っているのは
わたしとこの言葉を読んでいるあなただけだ
わたしたちの知らないところで
こぶし大の白い立方体が現われては消えてゆく
わたしたちの知らないあいだに
こぶし大の白い立方体が現われては消えてゆく
二〇一四年十二月十八日 「名前間違え」
塾の帰りに、ふだんは見ない日本人作家の棚の方へ足を運んだら、永 六輔さんが選者をしてらっしゃる『一言絶句』という本があって、サブタイトルが「「俳句」から「創句」へ
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