詩の日めくり 二〇一四年十二月一日─三十一日/田中宏輔
 
た花に見とれている。

これって、ヴァリエーション、いくつもできるね。

見つめているのは、わたしかしら? それとも花のほう?

花も花の声に耳を澄ませている。

とかとかね。
そいえば、むかし、『陽の埋葬』のひとつに

雨もまた雨に濡れている。

と書いたことがあった。

二〇一四年十二月十七日 「「あ」と「い」のあいだ」

こぶし大の白い立方体の上に「あ」が生まれる
こぶし大の白い立方体の下に「い」が生まれる
こぶし大の白い立方体が消え去る
こぶし大の白い立方体が消え去っても
「あ」と「い」は存在しつづける
かつて「あ」と「い」のあいだ
[次のページ]
戻る   Point(13)