詩の日めくり 二〇一四年十二月一日─三十一日/田中宏輔
 
れのドレッド・ヘアーのその汚い頭を大きく振って
ぼくの父親に何度も頭を下げていた。
父親は、つねづね、
施しだとかいったことは偽善だと言っていたように記憶しているのだが
父親が、ジュリーにタバコをやっていたのは、このときだけではなかったようだ。
ぼくの心理はとても単純なものだけれど
ぼくの父親の心理は、ぼくにはまったくわからないものだった。

日本でより
外国でのほうが有名だったのかしら?
堀 宗凡さんに
フランスの雑誌社がインタビューするというので
そのときに
宗凡さんの家の庭に立てる板に
ぼくがいくつか、一行の詩を
花の詩を書いてあげた
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