詩の日めくり 二〇一四年十二月一日─三十一日/田中宏輔
 
り込んだ。船は後ろ向きに海のうえを走った。鬼が島に着くと、一同は宝物を積んだ大八車を後ろ向きに押して鬼のすみかまで運んだ。そうして、桃太郎たちは、血まみれの鬼たちに宝物を順々に配っていった。

二〇一四年十二月十二日 「間接キッス」

 台湾にいるテッドから葉書がきた。貼り付けてあった切手をうえからちょっと舐めてみた。間接キッスかな、笑。

二〇一四年十二月十三日 「タクシーを捨てる」

「タクシーを拾う」という表現があるのだから、「タクシーを捨てる」、あるいは、「タクシーを落とす」といった表現があってもよいのになあと、ぼくなどは思う。

二〇一四年十二月十四日 「宇宙」

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