詩の日めくり 二〇一四年十二月一日─三十一日/田中宏輔
のを感じる。生まれてきた以上、生きつづける努力は必須なのだと思う。
二〇一四年十二月十日 「恋人たち」
過去形で書いてきた恋人たちだって、いまでもまだ、ぼくのなかでは現在形である。いや、未来形であることさえあるのだ。
二〇一四年十二月十一日 「桃太郎」
村人たちは笑顔で宝物を桃太郎に手渡した。桃太郎は後ろ向きに歩いて大八車のうえに宝物を並べて置いた。すると、犬や雉も宝物を持って後ろ向きにやってきて、それを大八車のうえに載せた。山盛りいっぱいになった宝物を積んだ大八車を後ろ向きに進ませて、桃太郎たちは後ろ向きに歩きはじめた。一行は港に着けてあった船に後ろ向きに歩いて乗り込
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