低愚脳詩集/道草次郎
じ
手網をひく
えい
ヤ
っと
未明
駆け抜ける純白な駿馬
風の如し
6「なんだこの退屈な詩は」
身を横たえていても
不安な時もある
逆に
嵐の中にいても
安心な時もある
心って
不思議だ
心を御することができたら
こわいものなしだ
こんな不思議なものが
不思議でないものからできているとしたら
それはじっさい
もっと不思議なことだ
だから
思うけれども
不思議でないものなど
ないのだ
あってもなくても
だってどの道
不思議なんだもの
7「鹿渡り」
バラモンの
木の椀
柳に
おちる小雪
耳で
河を渡っていく
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