女王の結婚/チアーヌ
こっちから断ってもいいから」
「女王様は僕では物足りませんか」
「それはこちらの言うことよ。あなたは別に今のままでも困らないんだし、この国の事情は良く知っているでしょう。わたしと結婚したって、何もいいことはないのよ。生活が窮屈になるだけよ」
「そのことはわかります。もしも女王様が僕で物足りないということであれば、どうぞお断りいただいてかまいません」
「そう。わたしは本当は、誰でもいいのよ。皆が結婚しろとうるさいから、誰かを推薦してくれといっただけなの。それでもいいの」
「僕は別にかまわないですよ」
コウは穏かにそう話し、部屋を出ていきました。
一ヵ月後、女王様とコウは結婚すること
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